2019年1月28日投稿
礼金とは何なのか?という疑問にお答えします!敷金との違いや礼金は毎月支払うのか、いつ必要なのか、相場はいくらかを解説します。礼金ゼロ物件のデメリット、礼金の値下げ交渉についても紹介しています。
礼金とは大家さんに支払う謝礼金
礼金は賃貸契約の際に支払う初期費用のうちの1つで、大家さんに支払う謝礼金のことです。
礼金は、もともと賃貸物件が少なかった時代に、下宿に子どもを預ける親が謝礼金を包んでいたのが慣習として残ったものと言われています。
以前は関東地方にだけあった制度ですが、現在は全国に浸透しています。
礼金の支払いは1度のみ
礼金は、賃貸契約を結ぶときに1度だけ支払います。家賃のように毎月支払う必要はなく、契約更新や退去のときにも支払う必要はありません。
礼金の相場は家賃1ヶ月分
国土交通省の「平成29年度住宅市場動向調査報告書」によると、礼金の相場は家賃の1ヶ月分です。
礼金は何ヶ月分だった? |
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参考:国土交通省「平成29年度住宅市場動向調査報告書」
この調査の回答者は首都圏に多いため、結果には若干の偏りがあります。関西や九州地方など、西日本に向かうにつれて礼金の相場は高くなり、家賃2ヶ月分の物件が増えていきます。
また、近年は賃貸物件の数が増えてきたので、物件の競争力を上げる目的で礼金をゼロ円にするケースも出てきました。
礼金と敷金の違い
礼金と同じ初期費用の1つである敷金は、退去時の修繕費用や家賃の滞納に備えて事前に大家さんに預けておく費用です。
家賃を滞納せず退去費用が敷金以下の金額で済んだ場合は、残った金額が返金されます。
礼金は返金されない
「敷金・礼金」とセットで口にされることがありますが、礼金は敷金と違って返金されません。大家さんに預けておくお金の敷金とは違い、礼金は感謝の意味を込めて支払うものだからです。
礼金ゼロの物件のデメリット
「礼金ゼロ」「礼金不要」の物件には、礼金をサービスしてでも入居してもらいたい、と大家さんが考えているものが多いです。
言い換えると礼金ゼロにしなければ入居者がつきにくい物件であることが多いので、デメリットが存在する場合があります。
礼金ゼロだからといって必ず質の悪い物件とは限りませんが、以下の3点を覚えておいて「どうして礼金がゼロ円なのか」を考えましょう。
また、なかには礼金だけでなく敷金もかからない、いわゆる「ゼロゼロ物件」もあります。ゼロゼロ物件の特徴やデメリットについては、別の記事をご覧ください。
家賃やほかの初期費用が割高
礼金ゼロで募集されている物件は、礼金の代わりにほかの費用が割高に設定されていることがあります。
例えば、相場では家賃8万円の物件を8.5万円で募集しているようなケースです。2年間(24ヶ月)で12万円の差額になるので、家賃1ヶ月分の礼金よりも多額の費用がかかってしまいます。
家賃以外にも、24時間サポートシステムへの加入が必須になっていたり、鍵交換費用が高額になっていることもあります。
トータルでどのくらいの費用がかかるのかをきちんと計算したうえで、入居したい物件かどうかを判断するべきです。
駅から離れている
礼金ゼロの物件は、駅からの距離が離れるにつれて多くなります。駅まで徒歩5分以内であれば全体の3割ほどですが、駅徒歩20分以上になると、半数ほどが礼金ゼロの物件になります。
築年数がかなり古い
築20年を超えている古い物件のおよそ3分の1は「礼金ゼロ」です。建物が古いとなかなか入居希望者が現れないため、大家さんは初期費用を減らして入居のハードルを下げようとします。
築年数が古い建物は、雨漏りをしたり、設備に不備がある可能性が高くなります。
物件情報には建物の損傷箇所や設備の状態などは載っていないため、必ず内見に行って自分の目で状態を確認しましょう。
礼金ゼロで絞り込むと該当物件数が減る
費用を抑えたいと考えて「礼金ゼロ」や「礼金不要」を条件にしてお部屋探しをすると、該当する物件の数は全体の3割ほどまで減ります。
総物件数 | 92,207件 |
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礼金なし物件数(率) | 30,172件(32.7%) |
参照:「ATBB」の2018年6月11日現在のデータ
物件の数が減った分、希望の家賃や間取り、地域などにピッタリ合ったお部屋は見つかりにくくなります。
費用を抑えることよりも希望のお部屋を見つけることを優先したい人は、なるべく「礼金ゼロ」で絞り込むことはせずに、より多くの物件を調べるようにしましょう。
礼金は交渉次第で安くできる
礼金は、不動産屋を通して交渉することで安くなる場合があります。礼金はほかの初期費用よりも交渉しやすいので、初期費用を抑えたいならば値下げ交渉すべきです。
値下げ交渉は、入居申し込みをする前のタイミングでします。お部屋を仲介してくれる不動産屋も「入居申し込みをしてもらいたい」という思いから協力してくれることがあります。
交渉が成功すると、礼金は家賃0.5~1ヶ月分ほど安くなります。
・家賃1ヶ月分 ⇒ 家賃0~0.5ヶ月分
・家賃2ヶ月分 ⇒ 家賃0~1ヶ月分
礼金は謝礼のためのお金なので、金額が下がることによる入居者のデメリットはありません。
閑散期になると礼金ゼロに変わる物件もある
不動産業界の繁忙期である1~3月の募集では礼金をつけていた物件でも、閑散期である4~7月になると礼金ゼロになる場合があります。
1~3月の繁忙期に入居者が決まらなかった物件は、1年を通して空室になってしまう可能性があるので、焦った大家さんが入居希望者を集めやすくするからです。
また、礼金がついたままになっている物件であっても、閑散期であれば値下げ交渉が成功しやすくなります。引っ越す時期にこだわらない場合、お部屋探しは4~7月にすると良いです。
礼金や敷金以外の初期費用一覧
初期費用には礼金や敷金以外に以下のようなものがあります。初期費用の総額の相場は、家賃4.5~5ヶ月分です。
仲介手数料 | 家賃1ヶ月分+税 |
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前家賃 | 家賃1ヶ月分 |
日割り家賃 | 入居日によって異なる |
鍵交換費用 | 10,000~20,000円 |
保証会社利用料 | 家賃50%~100% |
火災保険料 | 20,000円 |
仲介手数料
仲介手数料とは、お部屋を紹介してくれた不動産屋に支払う報酬です。上限が「家賃1ヶ月分+消費税」までと決められており、上限と同じ金額が相場です。
不動産屋やお部屋によっては半額や無料にしている物件もあります。
前家賃
前家賃とは、入居の翌月分の家賃のことです。例えば3月にお部屋を契約した場合、4月分の家賃を初期費用として支払います。
日割り家賃
日割り家賃とは、月の途中から家賃が発生する場合に、残りの日数に応じて必要になる日単位の家賃です。
例えば、3月15日に家賃10万円の物件に入居した場合は、15日から31日までの17日間の家賃、つまり100,000÷31×17=54,839円を支払います。
鍵交換費用
鍵交換費用とは、前の入居者が使っていた鍵を外して自分用の鍵に交換するための費用です。
防犯性の低い鍵が使われているならば1.5万円ほどで済みますが、特殊な構造でセキュリティ性能が高い鍵の場合は2万円以上かかります。
保証会社利用料
保証会社利用料とは、連帯保証人の代わりになる保証会社(賃貸保証会社)を利用する際にかかる費用のことです。
保証会社を使わず、連帯保証人だけで入居できる物件であれば必要ない費用ですが、近年は保証会社と連帯保証人の両方が必要な物件が増えています。
火災保険料
火災保険料とは、火事や落雷で燃えた建物や家具を補償してくれる保険の費用のことです。賃貸物件に入居する際には、必ず火災保険に加入する必要があります。
加入する保険会社は、大家さんや不動産屋から指定されることが多いです。
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